企業訪問阪南大学三木ゼミ2年生2020年11月18日
株式会社エムジェイテックは1942年創業。「精密加工部品のワンストップメーカー」として各業界で使用される高精度加工部品、特に位置制御を伴う精密部品を得意としています。中でもモーターやエンジン等から発生する回転運動の動力を伝えるための「タイミングプーリーは日本有数のシェアを占めます。平成24年(2012年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。
(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成
経済学部2年生K さん
私は今回、大阪の狭山市にある株式会社エムジェイテックを訪問させていただいた。エムジェイテックは部品を作る際に加工図面の書き起こしから加工処理の段階まで全て会社で行っているものづくり企業で、会社の主力商品としてタイミング・プーリーという主に産業ロボットの駆動部分に使われる部品があり、この部品を主体に企業として成長を目指していることなど様々な説明をしていただいた。
エムジェイテックを訪問させていただいて印象に残っているのは社員の方の心がけについてである。企業訪問の中で社員の方にどのような目標をもって働いているかという質問をした時、自分に何かを残せるように心がけているとおっしゃっていた。これは製造や加工をただただ行うだけでは企業を辞めた時、自分には何も残らなくなってしまう。そうではなくしっかり考えて行動し、自分がしていることを人に一から教えられるようにしたいとおっしゃっていた。私はこの働き方がとても魅力的だと感じた。なぜなら、社員一人一人がこのように考えて働くこと企業が成長しやすいのではないかと考えたからである。社員が考えて働き次の世代に教えることで良い人材ができると感じた。また、このことを聞いて、私が普段受けている大学の講義などで自分に何か残せるように努力しているのか、課題を提出するだけになっていないかという自分を見つめ直す良い機会にもなった。
もう一つ印象に残っているのは福利厚生についてである。エムジェイテックは労働組合なども通じて休みや給料、ボーナスなどの意見を聞いているとおっしゃっていた。社員の意見がしっかり通ることは企業として非常に良いと感じた。残業ついては月平均48.6時間あったのが最近では14.6時間になっていて意見を通じて改善されているのがとても伝わってきた。休日についても、中小企業は人数が少ないため、休むことが難しいとのことであるが、できるだけ従業員が休みたい日に休めるように配慮されていると聞いた。このように、全体的に意見が通っていることは非常に良いとであると感じた。
今回の企業訪問で自分自身を見つめ直すこともでき企業のベースが見えてきたためとても良い機会になった。
経済学部2年生S さん
今回訪問した中小企業は、大阪狭山市にあるエムジェイテックという、ものづくり企業でした。歯車やタイミングプーリーを扱っている企業です。産業用ロボットや半導体、医療機器などが主な取引企業です。訪問できたことによって、ウェブサイトには掲載できない取扱製品も動画を用いて教えてくださいました。
今回の訪問で最も印象に残ったことは、有給取得率と残業時間についてです。企業説明が始まる前に配られた資料に目を通していると、有給取得率「65.1%」と記載されていました。このことから有給取得率が少し低いように思えたので、そのことに関して質問しようと思っていたのですが、企業説明の中の資料では、有給取得率が「83.0%」とされていました。2013年の時点では63%だった有給取得率を7年かけて83%にもっていったという事実にとても驚きました。また、若手社員インタビューとしてお話を聞かせていただいた大塩様は、入社2年目であっても有給は取得しやすいと話していました。
残業時間についても2013年時点で1か月の平均が48.6時間だったものが、現在は14.6時間まで減少しています。現社長曰く、立場が上の人間だと月に100時間ほど残業していたこともあるとおっしゃっていました。そんな時代があったことを知ると、今の残業時間がとても少ないことがわかります。社長は有給を取得する人が減ったり、残業が増えたりすると、生産量が増えるかもしれないが、従業員が気持ちよく働けない環境になってしまったら意味がないとおっしゃっていました。社員が幸せに働ける職場づくりに努めていることは、素敵なことだと思いました。
株式会社エムジェイテックは、社員の労働環境をより良いものにするために、様々な取り組みをしている企業であるということが分かった企業訪問でした。有給取得率の向上や残業時間の短縮以外にも賞与や福利厚生の充実、労働組合の設置など、とても整った環境を用意していることがとても分かりました。しかし、まだ課題も残っているようで、年間休日を増やし完全週休2日制にすることや男性の育休取得を可能にするなど、新たな目標を達成できるよう前向きに取り組んでいると話していました。今後も社員が働きやすい環境づくりのために取り組みを進めていってほしいと思いました。
経済学部2年生M さん
今回企業訪問で私たちゼミ生は大阪府狭山市にある「株式会社エムジェイテック」にお邪魔させていただきました。この企業では、アルミやステンレスなどの金属製品の加工を行なっており、特にタイミングプーリーと呼ばれる製品の製造を得意としています。
最初は地図上で見た敷地や、現地の外観からは小さな会社のように見えましたが、工場内にはたくさんの加工機器があり、上記のタイミングプーリーの他にも航空機に使われるような製品なども製造されていたそうで、社内では現在から過去に製造されたいろんな製品を見せていただきました。
この会社は、年齢層が特に定まっておらず、いろんな世代の方が働いているそうですが、私が工場内を見学した際に感じたこととして、社長さんのフレンドリーさから社員さんたちとの距離感がこれまで見学した企業では1番近く感じられ、他の社員さんたちも気持ちよく働かれているように感じました。また、若手社員さんに伺った際にも仕事終わりに従業員同士で食事をすることや、企業の行事が終わった際は社長さんもご一緒されるそうで、中小企業の利点である従業員同士や社長との距離が近いというのを特に実感しました。その他にも、企業のことに無知であっても新人期にしっかりと先輩に教えていただけること、福利厚生が充実していること、大手企業とは違い自分のペースで目標を目指すことができるなど、ここは良い会社だということがわかり、若手社員さん自身も「会社に不満がない」とおっしゃったことから、中小企業の良さを実感できる企業だと感じました。
今回の企業訪問やインタビューから、会社内の人間関係はホームページにある社員さんの声だけではわからず、実際にその場に足を運び自分の目で見ることで感じることができ、その会社に勤めることで良さを感じ、やりがいを感じることや目標を持つことができるか、そして、その企業でなら自分が満足に働けるかといった、これから私たちが就職活動をする際にどういう基準で企業を選んでいけば良いかいうヒントを見つけることに繋がりました。
(三木教授の許可のもと掲載しております)